内視鏡副鼻腔手術の長所と問題点

内視鏡副鼻腔手術は鼻の内側から行うため、それ以前の手術に用いられていた口腔粘膜あるいは前額部皮膚の切開が不要です。また副鼻腔粘膜の大部分が保存されることから、低侵襲で後遺症も少なく、短期間に世界中に普及しました。
しかしながら、眼や脳の副損傷という新たな合併症が急増し、最近の米国、そしてわが国の報告でも、耳鼻咽喉科における医療事故の中で副鼻腔手術の合併症がトップに上がっているほどです。
副鼻腔手術の合併症の大部分が、両目の間にある蜂の巣状の小さな空洞(篩骨洞)で起こっています。一般に普及している内視鏡手術は、篩骨洞を分けている隔壁を前方から順に穿破しつつ、篩骨洞内の蜂巣を開放してゆく方法を基本としています。
この術式は、視野の前に現れた壁を穿破してゆく方法であるため、「篩骨洞内部を分けている隔壁」と「目や脳を分けている隔壁」かの判断を誤ると、目や脳の組織に操作を加えてしまうという危険性をはらんでいます。
わたしたちは、現在基本とされている「篩骨洞を分けている隔壁を穿破して篩骨洞内の蜂巣を開放する」というアプローチが、内視鏡手術において合併症のリスクを高めている最大の理由と考えています。
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