サージセンターが「短時間手術」を実現させている理由

わが国における鼻の手術―たとえば副鼻腔手術―は、一般に局所麻酔を用い、片側2時間程度の手術時間、手術後1~2週間の入院を必要としています。

サージセンターでは、内視鏡手術の開発後間もない20年ほど前から「全麻日帰り手術」への取り組みを開始しました。その間、1万6千件を越える全身麻酔手術を通して、手術技術の向上、手術時間の短縮、そしてより安全な手術への工夫を重ね、現在では、一側の副鼻腔手術を20分程度、また鼻中隔手術を5分程度で完了させるといった「短時間手術」を実現させています。
なぜ、サージセンターでは、このような「短時間手術」が可能なのでしょうか?
“高度な技術”、これはサージセンターにおける治療の根幹をなす最も重要な要素です。しかしこれだけでは、「短時間手術」を実現することは困難です。もう一つの重要な要素、それは内視鏡下の鼻科手術に最適な“手術環境”を創り出していることです。

サージセンターの鼻の手術には、「内視鏡用吸引洗浄装置」が使用されています。これは血液などによる内視鏡先端の汚れを取り除く目的で、1996年に黄川田が高研(株)と共同で開発(商品名:K-エンドシース)したものです。

鼻腔には血管が豊富に分布しており、鼻腔内の手術には出血が伴います。そのため、一般の内視鏡手術では、手術を中断して頻繁に内視鏡表面の清掃を行わなければならず、出血の多い場合には手術を進めることさえ困難となります。 本装置は、内視鏡先端を常時自動的に洗浄する機能を有しているため、出血の多い術野の中でも内視鏡を鼻腔内に留置したまま“無駄のない継続的な手術”を行うことができます。

また、射出される多量の加圧洗浄水により、内視鏡先端の洗浄に加え、手術部位の血液も除去することができるため、血液で手術部位が覆い隠される状態の中でさえも“対象を見失うことなく手術を進める”ことができます。

明快な視界の確保、手術部位への的確なアプローチにより、内視鏡先端を対象に極限まで近接させ、0.5mm程度の神経や血管でさえもモニター画面一杯に拡大して映し出すことが可能になります。これが、内視鏡手術においても、顕微鏡を用いたときのようなミクロンレベルの“微細な手術”を可能にするのです。

このようにして、内視鏡先端に血液が付着するたびに内視鏡を鼻腔内から取り出して清拭しなければならない、内視鏡先端を対象から遠く離した状態で観察しなければならないなど、これまでの内視鏡手術の欠点を一掃し、多量の出血がみられる悪条件の中でも、手術を中断することなく、拡大した画像のもとで安全かつ継続的に手術を進められる“手術環境”が確立されているのです。
“高度な技術”、そして術者と内視鏡の持つ可能性を最大限に引き出すための徹底した“手術環境”の両者の存在が、無駄を排除した精緻な手術を可能とし、安全な「短時間手術」へと結びついています。
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